SLユーザーのためのBlenderはじめの一歩 第1回
メッシュオブジェクトを作ってみたいけどBlenderが難しすぎて挫折している方、多いと思います。
Blenderは非常に高度な処理ができる3D統合ソフトですが、いまいち初心者には使いにくい印象です。
実際、私もBlenderでのモデリングは時間がかかりすぎてついつい慣れた六角大王という有料モデラーを使ってしまうことが多いです。
でも、Blenderって何より無料!できるかどうかわからないモノにお金は払えない!そう考えるのは自然です。
3Dモデリングを趣味にしようとすると、膨大な時間と、そしてそこそこのお金が必要です。Blenderの登場は、そのお金の部分の問題を一気に解決してくれました。
このフリーソフトは、数十万から数百万円のハイエンドソフトと遜色ない機能を持っています。大げさではなく3Dに関わるクリエーターの環境を大きく変えました。
でも、わかりにくい……
Blenderは3Dソフトを使い慣れた人ならすぐに慣れるでしょう。操作性は各ソフトによってバラバラですが、3Dオブジェクトを作成するときの「考え方」はまったく同じだからです。
そして、セカンドライフビューワ自体も実は3Dソフトです。プリムを組み合わせて何かを作るのと、Blenderなどの3Dモデラーでオブジェクトを作成するときの考え方はまったく同じです。
3Dモデラーのほうが、作成の自由度が高いだけです。
Blender習得の問題点
①ほとんどの作業がキーボードショートカットで覚えきれない
②用語がわかりにくい
③解説やチュートリアルが英語である
数え上げればキリがないのですが、初心者に壁としてそびえ立っているのは大きくこの3点だと思います。どれも、3D作成のきっかけには必要のない問題ばかりです。
①なるべくメニューから作業を行う
②その時の必要最低限を覚える
③Blenderは日本語化もできるので、日本語化し、ここでは日本語版として扱う
細かいこととか英語のこととか、次のステップの時でいいです。まずは楽しんで、アップロードして、3D世界で作ったものを眺めてみましょう。
座ってみたり、放り投げてみたり、セカンドライフの世界は、そういうことができる楽しい場所です。
1.プリムで椅子を作り出力してみる
1回目の講座では、プリムで椅子を作ってみます。
そんなことできるよ!ごもっともですが、今回はそれを出力してBlenderに読み込み、さらにセカンドライフにメッシュオブジェクトとして戻してみましょう。
注:セカンドライフ公式ビューワでは、オブジェクトの書き出しができません。
できましたら、この講座ではFirestormビューワをご使用ください。ものづくりに便利な機能がたくさんあります。
まず、SLユートピアへテレポートしましょう。ものづくり区画が用意されています。
スクリーンショットはクリックで拡大します。
右クリックのあと出てきたメニューの作成で立方体を作ります。
左に出ている作成メニューの「引き延ばす」を選びましょう。
白く光っている部分は比率を変えずに拡大縮小、青は上下、緑と赤は左右です。これをつかんで細くしましょう!
左のメニューの移動を選びます。シフトキーを押しながら移動させるとコピーできます!
椅子なので4本作ります。できた2本をシフトキーを押しながら選択します。先ほどと同じようにシフトキーを押しながら移動させます。
座面も必要ですね。コピーでも新規でもいいのでこんな感じに変形させます。
背もたれは、足をコピーしちゃいましょう。メニューの移動を選んでシフトを押しながら移動です。
もう一個追加で背もたれ完成です!
ここで、微調整して形を整えます。ぐるぐる回して確認しましょう。
できたらシフトキーを押しながら全部のプリムを選択して、メニューの「リンク」というボタンを押しましょう。
これでバラバラにならずにすみます。
Firestormの右クリックでSave asというメニューがあると思います。Colladaを選びます。この機能は標準ビューワにはありません。
Save asを押すとダイアログが出ますので、お好きなファイル名をつけて、任意の場所に保存をクリック!
これで、Blenderに読み込めるファイル形式.daeで出力できました。
Collada(.dae)というファイル形式は、最近多く使われるようになった3Dの共通フォーマットです。
メッシュ、マテリアルはもちろんリグ(ボーン、Blenderではアーマチュアとも呼ばれます)からウェイトマップ(服などでどのくらい変形するかを色で表したマップです。
セカンドライフでのアップロード時「重さ」となっている項目です)など様々な情報を格納できます。
セカンドライフにメッシュを持ち込む上で欠かせない形式ですので覚えておいてください。
さあ、これでBlenderにファイルを持ち込む準備ができました。
次回はいよいよBlenderでの作業となります。
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